カール・ゴッチ。
1922年ドイツ生まれ。本名、カール・イスタズ。プロレスラー。
得意技ジャーマン・スープレックスホールドは「芸術」と称される。
強さにこだわりショーマンシップを排した妥協のないファイトスタイルで、プロモーターや同じレスラーからも敬遠されたことから「無冠の帝王」と呼ばれた。
1961年に初来日、アントニオ猪木、藤原喜明、前田日明らにその多彩な関節技を伝授する。
日本プロレス界に決定的な影響を与えた人物である。
プロレスファンは彼のことを畏敬を込めてこう呼ぶ。「プロレスの神様」と。
正直な人間と会うときには、ナーバスになる必要はない。しかし、プロモーターに会うときには、気をつけることだ。彼らには、二種類ある。悪いか、それ以上に悪いかのどちらか、ということだ。
夢枕獏『猛き風に告げよ 私説UWF伝』P.185
バランスも、力も、技も教えられる。しかし魂だけは教えられない。それは、神からもらうものだ。
夢枕獏『猛き風に告げよ 私説UWF伝』P.186
もし私が、生まれかわることができるとして、やはりわたしはレスリングをやるだろう。その時には、ただひとつだけ望みがある。できることなら、現在の私のような師に巡り合いたい。そうすれば、一から始めなくてすむからだ。
夢枕獏『猛き風に告げよ 私説UWF伝』P.190
大きい人間は大きいクソと同じだ。
(Big man is big shit.)
出典不祥
相手の関節をフック(極める)ことのできない男に、プロのレスラーとしての資格はない!!
出典不祥
レスラーとは、格闘技を職業としている人間のことであって、ロックン・ロールや見世物で生活している人間のことではない。
出典不祥
Life is movement,movement is life ”人生は死ぬまで動き続けること”なんだ。だからこそ、若者はトレーニングを続けるべきだし、年を取っても、絶対にやるべきなんだよ
「ザ・レスラー」P.76
いいレスラーになるには”3つのT”――トレーニング(training)、テクニック(technique)、タクティクス(tactics)がなければだめだ。
戦いの技術は、まずリングで相手をみて、そして素早く決定するんだ。頭で考えるのではない。考えていたんじゃ遅すぎる。トレーニングによって直感的に動けるように訓練して、心とからだが一体になって、相手に対してからだを動かすんだ。
「ザ・レスラー」P.79
技術と精神は常に一緒だ。決して嘘を付くな、決してごまかすな、そして決して放棄するな。(Never lie,never cheat,never quit.)
「ザ・レスラー」P.79
若い頃から闘いの場に直面している人たちは完全主義が多いが、誰もが結局は「完全」にはならないんだよ。いつでも必ず向上させるスペースがあって、それを埋めよう埋めようとしても、まだスペースがある。そんなものなんだ。そのスペースに気がつかない人間はそこで終わりなんだよ。つまり、結局は自分が棺桶に入るまでは、ずっと鍛錬と勉強を怠ってはいけないということだよ。
「紙のプロレスRADICAL」No.3 P.6
WWFを馬鹿にしてると、天罰が下るぞ。ハーッハッハ。
「紙のプロレスRADICAL」No.3 P.9
確かにレスリングにはたくさんのスタイルがある。どの国のどんな形であろうが、サンボだろうがなんだろうが、レスリングはレスリングだよ。だが、WCWとか、WWFみたいな奴らをレスラーと言うなら、私は中国の皇帝になってもおかしくない。
「紙のプロレスRADICAL」No.4 P.23
いいかね。試合というのは常に神のものなんだ。試合は全て神にささげられるべきものなのだ。そのためには、勝とうという意志すらも持つべきではない。試合に臨む者は、ただ、その時その時に、一番効果的な技を使うことだけを考えればいいのだ。勝利は、その結果として、神が与えてくれるものにすぎないのだよ。
夢枕獏「上段の突きを喰らう獅子」P.73(『仰天文学体系』より)
私のような男と暮らすのは、妻も大変だったと思う。しかし、妻は、私が1ドル稼いで帰ろうが1000ドル稼ごうが、どちらでもベストを尽くした結果だとわかってくれたよ。私には自分のレスリングのスタイルがひとつあり、愛する女性が一人いた。幸せな男だ。人生は単純さ(Life is simple)。
「ザ・レスラー」P.82